2008年3月10日月曜日

60's



先週末、所用で実家に帰ってきました
うちの実家は、オートクチュール屋を営んでいるのですが、
まあやはり、既製服の台頭とスタッフの高年齢化は深刻で
この度、55年続いた店を閉めることになりました
50's時代からですよ。。リアル50's!

商業用大型そろばんをローラースケート代わりに
店の中を滑りまわり、ダイヤルを勝手に回して金庫のカギを閉め、
現反を巻いてある、長方形の木枠を松葉杖に遊んだのも遠い昔、
母は忙しく、平日の夕方や日曜日に私と遊ぶのは
当時まだあまり忙しくなかった父の役目。
家事のあと毎晩遅くまで、母がパターンを引く鉛筆の音を
聞きながら眠りについていました。
あまり遊んでもらうことはなかったけれど、
職場にはよく遊びに行っていたので
最新の洋服を扱い、その場でさっとデザイン画を上げていく母が自慢でした。

総勢約40名のお洒落好きな女性に囲まれ、
60年代後半から70年代のファッションが輝いていた時代に
サイケデリックな大花やプッチ風のプリントを
眺めて過ごした、幸せな幼少時代。

店じまいを聞いて、最後のオーダーに来て頂いた
お客様が予想外に多く、何十年かぶりで、
母が食事の後、パターンを引いているのを見。
上記のようなことを色々と思い出しました
美しい生地の在庫を眺めながら、
「ショーケースに入れて飾っておこうかしら。」
とつぶやく、洋服好きの老女。

意外と短い55年、
でも、会社を延々と続けていくのは大変なんですよね〜。
と思う、今日この頃。
思い出すと両親に感謝しきり。
ありがとうございます。

写真は母がパリ・ディナーツアーに行くくらい
好きだった、アラン・ドロンと当時の彼女
ミレーユ・ダルク。